「詩人の輪」通信 その2   通信に寄せられた作品等を紹介します。
                 (40号〜)

詩人の輪」通信 その1(1〜39号) へ
「詩人の輪 通信」 45号より 2016年9月1日発行
「詩人の輪 通信」    44号より 2015年12月20日発行
 巻頭の詩のほかに、2015.10.10での報告やその際、朗読された詩が収録されています。
詩人の輪」通信    43号より 2015年8月15日発行
詩人の輪」通信    42号より 2014年12月1日発行
詩人の輪」通信    41号より 2014.9.1発行
詩人の輪」通信    40号より  2014.5.3発行
九条は地球最先端の詩の心               佐相 憲一

 自宅近くの川沿いは桜並木だ。休日にはお花見の人びとがそれぞれの生を感じている。住民には韓国人や中国人も多く、東南アジアや中東からの人々もいて、ヨーロッパの言語も飛び交っている。もうじき季節はつつじへ、あじさいへ、新緑から夏がやって来るだろう。地球モードのこの界隈に住んでいると、〈平和〉の意味が鮮明だ。動いているひとりひとりの心臓の音。多様な命の大切さへの願いである。何気ない日常の暮らしが暴力で断たれないことを前提にした、相互尊重の心だ。川沿いには、すずめやカラスのほかに、コウモリや野良猫も住んでいる。地球はみんなのものだ。

 〈詩〉とは命を見つめることだろう。恋愛詩であれ、社会風刺詩であれ、文明批評であれ、人生感慨であれ、孤独抒情であれ、ブラックユーモアであれ、自然讃歌であれ、言葉遊びであれ、詩の発生源は、おのれと他者の命の声だろう。生きていなければ、痛みは分からない。痛みが分からなければ、詩を読んで共有するなどという詩文学の歴史はなかっただろう。そんな〈詩〉の心は、国家や組織や産業などが流布する情報よりも、ホモサピエンスひとりひとりの内面が世界の中で感受するものを大切にする。
 いま、世界情勢は高度に爛熟した経済競争を背景に、排他的なナショナリズム全盛である。ナニジンかが最大の砦と喧伝されて、ナニ同盟か、ナニ教か、ナニ企業か、などともあいまって、一番大切な個々の命の声がかき消されてしまいがちである。
 この腐敗した世界において、戦争放棄、武力保持の九条は、突き抜けた、最先端の科学と言える。

 九条の会詩人の輪は今年十周年だ。「集団的自衛権」よりも七十億人の命の声を。「国防軍」よりも詩の心を。「武器輸出」「原発輸出」よりも平和の輸出、自然エネルギー共有を。「イージス艦配備」や改憲よりもしっかりした歴史教育を。この十年間、詩人の輪が全国各地で開いた十六回のつどい全てに参加しているぼくはあらためて全国の多様な人びとによびかける。命の九条、あきらめないでいこう、と。
こいのぼり揺れる五月、平和憲法記念日の翌日に生まれたぼくは、自らの名前に刻まれた詩の心を大切にし続けたい。











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